協会の目指す住宅
IDEAL HOUSING
様々な要因による建物の温度変化(7月)
日射遮蔽物とハニカム構造・断熱ブラインドの効果検証実験
事務所に導入している日射遮蔽スクリーン(YKKAP アウターシェード)とハニカム構造・断熱ブラインドの効果を検証する為、1F日射取得ゾーンの3つの窓(樹脂サッシ透明ペアガラス)で条件を変えて温度測定を行いました。結果は日射遮蔽スクリーンのみの場合50.5%日射の侵入をカットし、日射遮蔽スクリーン+ハニカム構造・断熱ブラインドの場合、67.6%日射の侵入をカットしているという結果が得られました。あくまでも当協会が独自に行った簡易的な実験データですが、参考にご覧ください。
外壁の色の検証と屋根からの熱侵入を防ぐ通気
夏対策として外皮からの熱侵入の対策も必要です。事務所では南側は反射率の高い白色を基本としています。ライトブラウンと比較してみると5.5℃の違いがありました。また屋根面は53.8℃まで上昇していましたが、これを室内へ侵入させない工夫が必要です。事務所では屋根通気を設けております。測定すると室内の天井面は31.3℃。かなりの熱の侵入を抑えています。
外壁の色、方位の温度状況
外壁の色、そして各方位での温度の違いを測定しました。夕方には西日のため西側の温度が上昇しておりますが、これは朝日がでる東面でも発生する熱エネルギーは同じですので、同じ状況が予想されます。今回は9時からの測定となりましたが、西日、東日の対策が必要です。外壁の色ではやはり白が温度が低く、ピンクも比較的低いという結果になりました。
日射遮蔽と通風
平面図兼温度センサー位置はこちら
以下のグラフは日射遮蔽と通風の有無での室温変化のグラフです。日射遮蔽と通風ありの状態では夜間に室温が下がっているため1日目も2日目も同じように温度が推移しています。
しかし日射遮蔽と通風なしでは1日目より2日目の方が室温がかなり上昇しています。夜間が涼しくなる場合一度室内にたまった熱を排出することが室温上昇抑制には重要です。
しかし日射遮蔽と通風なしでは1日目より2日目の方が室温がかなり上昇しています。夜間が涼しくなる場合一度室内にたまった熱を排出することが室温上昇抑制には重要です。
※外気温のセンサーに直射日光があたっていた可能性がありますので画像右下の気象台データを参考にしてください。
事務所建築(平成24年10月)〜平成25年7月までの測定データ(蓄熱要素)
平面図兼温度センサー位置はこちら
①土間床の温度
②パッシブ蓄熱材32℃の温度
③水蓄熱の温度
④パッシブ蓄熱材29℃
のデータです。
蓄熱材の温度は比較的安定していることがわかります。
温度の安定度 ①>②>③>④
土間床の温度が一番緩やかな曲線を描いており、安定していることがわかります。
パッシブ蓄熱材32℃で一部大きな温度動きがみられるのは、温水床暖房とセットで使用しているため、冬期間の温水暖房使用時には大きな温度の動きがみられます。
②パッシブ蓄熱材32℃の温度
③水蓄熱の温度
④パッシブ蓄熱材29℃
のデータです。
蓄熱材の温度は比較的安定していることがわかります。
温度の安定度 ①>②>③>④
土間床の温度が一番緩やかな曲線を描いており、安定していることがわかります。
パッシブ蓄熱材32℃で一部大きな温度動きがみられるのは、温水床暖房とセットで使用しているため、冬期間の温水暖房使用時には大きな温度の動きがみられます。
蓄熱容量の違いによる温度変化
平面図兼温度センサー位置はこちら
以下のグラフは1Fホールと2Fホールの事務所建築(平成24年10月)から平成25年7月までの測定データです。明らかに2Fの方が温度の上下動が激しいことがわかります。この違いは1Fにはあり、2Fにはない『蓄熱容量』に起因している変化と考えられます。1Fには蓄熱材を多く設置していますが、2Fには全く設置しておりません。
外構計画による対策
夏場の暑い空気を室内に持ち込まないためにも外構計画をしっかりとする必要があります。事務所の南側には芝生、砂利、アスファルト、土の4種類の路面があります。以下はその温度状況を測定した結果です。アスファルトでは55℃近くになっているのに対し、芝生の温度は30℃程度です。
窓の近くにアスファルトを配置してしまうと通風をしたときに地面で温められた空気を取り込むことになってしまうので注意が必要です。やはり、芝生を配置するのが効果的です。
窓の近くにアスファルトを配置してしまうと通風をしたときに地面で温められた空気を取り込むことになってしまうので注意が必要です。やはり、芝生を配置するのが効果的です。